やっぱり「紙で読みたい!」 電子書籍がなかなか普及しない件

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紙かデジタルか。ビジネスパーソンに実施したアンケートで、約8割の人が書籍、雑誌、漫画はデジタルではなく「紙で読みたい」と回答したそうです。

電子書籍の普及が進んでいるといわれている中、実際のニーズはどうなのでしょう。

ものをストックしないという便利さ

電子書籍の一番のメリットは、本棚などの場所をとらずに所有でき、紙よりも圧倒的に大量の情報をスマホ、タブレットなどの端末に保管、持ち歩きできることにあると思います。

電子書籍そのもののデータ整理や紙面のテキストの検索などにより、情報の検索性という意味でもアドバンテージは大きいかもしれません。ただ、紙でも人間の記憶力と認識の速さで意外にパラパラとページをめくっただけで探せてしまう事も多いので、個人的には検索性も一概にデジタルが優位とは言いにくそうです。

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紙のレイアウトをデジタルに落とすのは多分正解じゃない

いずれにしてもそれぞれの利点を踏まえて、読む本や状況によって使い分ける、というのが結局のところ。私自身、電子書籍の購入もしていますが、やはりじっくり読みたい書籍は紙を優先的に選んでしまいます。

個人的に紙と電子書籍の決定的な違いは、読み飛ばしや流し読みができないことです。

書籍であればパラパラとめくって内容の概略をつかんだり、ザクッとページをめくって読みたいところから読み進める、といったことが手軽にできますが、電子書籍だと端末の処理速度やインターフェイス、スクリーンサイズや解像度などに利便性が左右されてしまうため、なかなか紙のように自在に取り扱える感覚には及びません。

そもそも、「デジタルか紙か」を比較する際に気になることがあります。

現在のデジタル書籍は、もともと「紙」で構成された書籍をデジタル化することを前提にインターフェイスから紙面のレイアウト、情報のボリュームなどが決められています。漫画の一冊のボリュームだったり、雑誌の紙面レイアウトだったり。

正直これが個人的にまったく受け付けません。なんで大きさも処理方法も違うデジタル機器で1枚の紙を再現しようとしているのでしょうか。

デジタルのための仕組みも必要

Webサイトは、PCのディスプレイでの画面での閲覧に最適化されていき、スマートフォンやタブレットでさらに多様な情報にアクセスしやすくするため、いくつもの工夫が施されてきました。

書籍や雑誌はもともと物理的な印刷面積、紙の重さなどの制約を前提に、読みやすさ、取り回しのしやすさが最適化されています。

電子書籍は現在も、紙で書籍を読む行為をトレースする形で使い方が設計されています。縦書きの文字をページごとに表示し、ページを読み終わるごとに紙に見立てた画面を「めくる」動作をする。

直感的には理解しやすい作りではありますが、利便性とは必ずしも一致しません。雑誌などの電子版でピンチイン、ピンチアウトで拡大縮小しながらじゃないと読めないような紙面のどこが読みやすいのか、快適なのか、と。

これまでの漫画や小説の表現は「紙」だから成立していた

漫画の多くは、2枚の紙面を見開いたときの目の動きを追うように、主に右上から左下に向かって視線を流す表現が培われてきました。電子書籍の1ページ表示ではこの手法の意図が伝わりません。小説の編集も、1ページの文字数、読み進める速度、ページ送りでの時間差を計算して表現されている例が多くあります。

こういった「紙だから成立していた法則」や「情緒」がデジタルで失われてしまっているのが非常に残念です。逆に、電子書籍はあくまでデジタル環境のための手法として発展していくべきだと思います。

電子書籍の普及を阻害する理由があるとすれば、そのひとつは、業界が「紙とデジタルの両立」や「共存」という視点で考えていることにあるのではないかと思います。異なるメディアに対して同じ手法で情報の展開ができると思っている、その方法がどこかにあると考えている限り利用者の気持ちを変えることは難しいのでしょう。

デジタルでの消費が長期継続するイメージが持てない

でも何となくですが、電子書籍というフォーマットが継続するイメージが持てません。紙媒体の世界では情報のパッケージングが書籍というハードウェアで成立していましたが、デジタルでの情報のパッケージング方法は別の方法にすり替わっていくのではないでしょうか。

知識を付けるためには専門知識となる情報を購入し、物語を楽しむためには専用のコンテンツ、トレンドの把握や時間の浪費にはWebサイトや広告メディアなどがすり替わり、最終的に紙をトレースした電子書籍はそれぞれに取り込まれていく。

最終的に1000年単位で永く残されていく叡智は、デジタルデータではなくやっぱり紙情報なんじゃないかな、とも思ったり。

そんなこんなでまだまだ使い勝手が不十分な電子書籍。不完全な紙の模倣を続けている限り、私は紙派であり続ける気がします。今後の発展に期待したいです。

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以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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