Google Chromeの使用メモリを抑制する拡張機能「The Marvellous Suspender(ザ マーベラス サスペンダー)」が、chromeウェブストアで公開されています。
これは、先日公開停止となったGoogle Chromeの拡張機能「The Great Suspender(ザ グレート サスペンダー)」の代替、後継のプラグインとして位置づけられています。
Google Chrome拡張機能「The Marvellous Suspender」
「The Marvellous Suspender(ザ マーベラス サスペンダー)」は、Google Chromeの動作やパソコン自体の動作が重くなる原因とひとつとなるメモリやCPUの使用負荷を自動的にコントロールするGoogle Chromeの拡張機能(プラグイン)です。
Google Chromeではタブ機能を使って複数のWebサイトの閲覧を切り替えながら行うことができますが、バックグラウンド(裏側)で開かれているタブが動作が完全に停止されているわけではないため、たくさんのタブを開いてしまうとPCのメモリ容量を圧迫するなどの問題があります。
「The Marvellous Suspender」を使うと、裏側で開かれているタブを自動的に「一時停止(サスペンド)」の状態にすることができ、これにより余計な負荷を開放してGoogle Chromeの動作やパソコン全体の動作をより快適にすることができるようになっています。
公開停止となった「TheGreatSuspender(ザ グレート サスペンダー)」
この、「The Marvellous Suspender(ザ マーベラス サスペンダー)」は、もともと「The Great Suspender(ザ グレート サスペンダー)」という名称の拡張機能としてchromeウェブストアで無料配布されていましたが、現在この「The Great Suspender」は公開が停止されています。
「The Great Suspender」が公開停止された理由は、この拡張機能にマルウェアの疑いがあったため、とされています。
もともと「TheGreatSuspender(ザ グレート サスペンダー)」はオープンソースのソフトウェアとしてソースコード全文が公開された状態で開発が行われていましたが、2020年6月、本来の開発者とは別の開発者にそのソースコードが譲渡され新しいバージョンの「The Great Suspender」が公開されました。
それ以降、引き継がれた新しいバージョンの「TheGreatSuspender」はソースコードが秘匿され、内部がどのように動作しているのかが不明なまま配布が続けられます。
そしてその後、2020年11月にこの「The Great Suspender」にマルウェア(不正な悪意あるソフトウェア)の疑いがあるとの声が上がりました
マルウェアとしての具体的な機能は完全に明らかになっているわけではありませんが、過去の「TheGreatSuspender」のソースコードが共有されているgithubでは、その機能を悪用することで、広告の挿入やサイトのブロック、強制的なリダイレクト(アダルトサイトや出会い系サイト、詐欺サイトに強制的にアクセスさせる、など)など多くの不正行為に利用可能なものだと指摘するコメントなども投稿されています。
この騒動を受けてまもなく、Chromeの拡張機能も利用可能なマイクロソフトのウェブブラウザ「Microsoft Edge」で「TheGreatSuspender」の配布を停止。そしてその後、2021年2月5日に本家Googleのchromeウェブストアでの配布も終了(禁止)されました。
オープンソースから引き継がれた安全なTheMarvelousSuspender
「The Great Suspender(ザ グレート サスペンダー)」の公開が停止され、界隈ではにわかに「The Great Suspender」の後継や代わりとなる拡張機能について話題となりました。
そんな中、注目されたのが今回の「The Marvellous Suspender(ザ マーベラス サスペンダー)」です。
開発はhttps://gioxx.org/のGiovanni氏であることが公開されており、氏のウェブサイトではこの「The Marvellous Suspender」の開発経緯や「The Great Suspender」の代替としての「The Marvellous Suspender」の透明性について言及されています。
その内容によると、この「The Marvellous Suspender(ザ マーベラス サスペンダー)」は「The Great Suspender」は、ソースコードが譲渡される以前のバージョンである「7.1.6」をベースに開発されているとのこと。
2021年2月7日現在chromeウェブストアで公開中の「The Marvellous Suspender」はバージョン「7.1.6.1」となっています。
また、氏は現在バージョン7.1.6.2の開発を進めており、イタリア語のローカリゼーションのほか、オープンソース公開時にも実装されていた品質改善のためのGoogle Analyticsによる匿名の情報収集のコードさえも削除する形で完全な透明性と安全性を実現するようなアップデートを行う旨を予告しています。
「The Marvellous Suspender」の使い方
新しい「The Marvellous Suspender」はchromeウェブストアからインストール可能です。「The Great Suspender」代替の拡張機能として、もっとも確実で安全な後継ソフトウェアではないかと思われます。興味ある方は利用してみてください。
インストールの方法は簡単です。
「The Marvellous Suspender」のインストール手順
Google Chromeを起動して以下のサイトへアクセスします。
表示されたページの [Chrome に追加] ボタンをクリックします。
『「The Marvellous Suspender」を追加しますか?』というメッセージが表示されたら [拡張機能を追加] ボタンをクリックします。
「The Marvellous Suspender」のインストールが完了すると設定画面が表示されますので必要な設定を行ってください。設定方法などは「The Marvellous Suspenderのインストール、初期設定方法、設定項目解説」で詳細をご覧いただくこともできます。
以上で手順は完了です。
まとめ
「The Great Suspender」はPC版のGoogle Chromeを快適に利用できる非常に便利なソフトウェアでした。
「The Great Suspender」は広く開発者に公開され、自由に開発を行うことで成長が期待されるオープンソフトウェアとして公開されていましたが、一部の開発者により不透明な機能追加が行われてしまい、その後、悪意あるソフトウェアとして削除されました。
この「The Great Suspender」の代わりとして開発されたのが「The Marvellous Suspender」です。この「The Marvellous Suspender」は、「The Great Suspender」の過去の安全なソースコードから引き継がれているほか、さらに今後安全かつ透明性の高い開発が期待される拡張機能となっています。
「The Marvellous Suspender」は、「The Great Suspender」代替の拡張機能として、個人的にはただひとつの選択肢であり、現状もっとも信頼性が高く安全な後継ソフトウェアではないかと思われます。
興味ある方はぜひ利用してみてください。
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