リモートワーク用に自宅でオフィスチェアを購入しました!今回は在宅ワーク、リモートワークで使えるオフィスチェアをご紹介します。
リモートワークでこれから椅子の買い替えなどを検討されていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
在宅作業が増え、椅子の買い替えを検討
新型コロナウィルス感染症の影響を受け、在宅で仕事を行う機会が増えてきました。終日自宅で作業をすることも多く、気づけば一日中ほぼ動かず椅子に座ったままだった、なんてことも。
そんな中、気になるのは自宅での作業環境です。
もともと自宅ではPC用の作業場として自宅の一角に作業台を置いてそこで作業をしていたのですが、デスクやオフィスチェアは8年近く前に買ったノーブランドの格安のもの。当時はできるだけ安価に環境を整えようと、楽天で検索結果を「価格の安い順」に並べて一番安く買えるものを選んでいたような記憶があります。机と椅子、2つあわせて1万円ちょっとくらいだったような。
低反発ウレタンの柔らかい座り心地がウリだったその先代のオフィスチェア。気づけば8年経ったそのオフィスチェアの座面は低反発が無反発になってしまいぺったんこ。座ると骨組みの鉄パイプの感触をお尻でダイレクトに味わえるオフィスチェアになってしまっていました。
そんな状況で2021年以降もしばらく続きそうな在宅作業に備えてオフィスチェアを新調しようと、まずは各メーカのオフィスチェアから候補の絞り込みを開始しました。
在宅ワーク向けのオフィスチェア選びのポイント
というわけで実際に在宅用にオフィスチェアを選び始めたのですが、オフィスチェアと一言でいっても製品は大量にあります。また、予算や自宅に配置できる大きさ、椅子に座る時間や頻度などで得られるコストパフォーマンスなどいろいろ選定のポイントとなる要素もあります。
デスクワーク用のオフィスチェアとして対象を絞り込むための基準には以下のようなものがあります。
種類の絞り込み
オフィスチェアの代表的な種類の違いとして、座面や背もたれの材質の違いが挙げられます。また、背面や座面で異なる材質が組み合わせられたものも多くあります。
代表的な材質の種類には以下のようなものがあります。
布張り
表面が布張り(ファブリック)のクッションが使われたチェアです。広い価格帯で採用されていて、バリエーションも豊富な定番のオフィスチェアが揃っています。
ファブリックの内側のクッションはウレタン素材などが使われていることが多く、このウレタンの厚みや反発の強弱などで座り心地が変化します。ファブリック素材のチェアは種類も豊富なため、高価なものから安価なものまで幅広く選ぶことができます。
メッシュ
表面に網状のメッシュ素材が使われたチェアです。メッシュの材質にもいろいろなものがあり、高価な椅子にはエラストマー素材などと組み合わせた複数の性質の違う素材が編み込まれたものなどが使用されており、耐久性や座り心地の良さが追及されています。
メッシュタイプの一番のメリットは通気性です。蒸れにくくクッション性もよいため、長時間座ったままの作業でも影響が出にくいことがポイントとして挙げられます。
レザー
表面に本革レザーや合成レザー(PUレザー/ビニールレザー)などの皮素材、樹脂素材が使われたチェアです。こちらも材質にはいろいろなものがあり、安価な合皮から超高級な本革張りのレザーとさまざまです。
本革製品は皮の風合いなどが引き合いに出されることが多いと思いますが、長い時間作業をすることに特化しているわけではなく、偉い方が座る椅子などで高級感、ステータス性を演出するためのものも多くあります。また、ゲーミングチェアなどでは主に合皮レザーが広く使われています。
樹脂バック
背もたれにクッションを使わず、樹脂素材のパネルをそのまま使ったチェアです。樹脂素材は固いプラスチックを網目のように成形して当たりを柔らかくしたものや、エラストマーと呼ばれる弾力のある樹脂が使われているものなどがあります。
樹脂バックのチェアは背面が樹脂のパネルそのままなので座り心地が悪い印象があるかもしれませんが、実際デスクワークをするときに背もたれに体重を預けた姿勢を取り続けない場合などは背面のパネルの作りがそこまで負担にならないため、自分の慣れた姿勢によっては十分選択肢になります。また、背もたれが非常に薄く作られているものなどは部屋の中に置いてもコンパクトに使え、圧迫感が少なくて済むこともポイントです。
必要な構造やオプションなど
座面の高さ調整の有無と調整範囲
机の高さや作業のしやすさに合わせて椅子の座面の高さを調整できる機能です。現在ほとんどの価格帯のオフィスチェアでがガス圧を使用したスムーズな座面の高さ調整がついています。
座面の高さ調整の機能自体はどの椅子でも備えていますが、高さの調整可能範囲は椅子によって異なりますので注意が必要です。一番低くしたのに足がつかない、とか一番高くしても足を投げ出さないといけない、などなど。これらは使用する方の身長、座高はさまざまなので他人のレビューが参考にならないことにも注意が必要で、実際に自分でサイズを計ったり、実物に座ってみたりしないとわからない部分でもあります。
また、机の下に椅子をしまいたかったけど椅子の高さが下げられずに肘掛けが机とぶつかってしまう、ということもあるあるなのでこれらの高さは事前に確認しておくとよいと思います。
ロッキング(背もたれ)
背もたれの構造にもいろいろなものがあります。大きな機能の違いとして、ロッキングと呼ばれる背もたれの傾き自体を調整する機能がありますが、このロッキングにも座面が連動して傾くものやそうでないもの、傾きを固定できる角度の違いなど細かく異なるため、重点的にチェックしておきたいポイントです。
また、背もたれの機能に関係して、オフィスチェアの背面にはいろいろな骨組みのパーツが伸びているものなどがあります。この背面の構造自体は座り心地そのものに影響はないのですが、自宅などにリモートワークのスペースを作るような場合、椅子の見た目によって部屋の圧迫感や雑然さを生んでしまったり、また、背もたれの厚みなどによって背後の壁や空間に干渉してしまったりするため、背もたれの構造やデザインは座り心地だけでなくその設置場所の周辺空間との影響にも注意しておきたい要素です。
肘掛け
肘掛け(肘置き)は使用する方の好みがあるかと思いますが、私はキーボードを打つ際、左右の肘置きに腕を乗せて作業を行いたいので、肘置きの高さが机の天面と同じ高さまで調整できることと、肘置きの角度調整ができ、内側に向けられるものを前提としました。
この肘置きも座面の高さ調整同様、机との干渉など作業スペースのレイアウトに影響が大きい要素のため、高さや調整範囲はについては気を付けておく必要があります。
在宅ワーク向けのオフィスチェア4選
そんな中、在宅ワーク向けのオフィスチェアとして候補となったのは以下の4製品です。
いずれも10万円前後から20万円を超える比較的高級なオフィスチェアですが、椅子は長い時間自分の体に触れて体全体を支える器具なので、できるだけ後悔が無いよう予算の許す範囲で納得いく品質の製品を選んでいただけると良いのではないかと思います。
ハーマンミラー アーロンチェア
ハーマンミラーはアメリカのミシガン州に本拠地を置く家具メーカー。多くのメディアなどにも取り上げられる高級・高機能オフィスチェアの代名詞として思い浮かぶのはまずこれでしょう。1994年に誕生し、MoMAの永久コレクションにも選定されたアーロンチェアは世界初のメッシュ素材が採用されたオフィスチェアです。
通気性に優れ、座る人それぞれに体形や使い方によって細かく調整できる充実した機能によって、長時間の作業でも負担が少ないチェアとされているほか、前傾チルトと呼ばれる椅子の座面と背もたれ全体を前のめりに傾けられる機能は、椅子のサポートを損なうことなく作業に集中できる姿勢が取れるとされています。
また、アーロンチェアには12年間という長期間の製品保証がついており、安心して使い続けることができることも選ばれる要因のひとつとなっており、これらの特長からオフィスでの導入だけでなくフリーランスの著名なデザイナーさんやライターさんなど、デスクワーク中心のクリエイターにも高い人気を得ています。
現在は細かい機能などが再デザインされた「リマスタード」と呼ばれるモデルがラインナップされています。このアーロンチェアリマスタードは、座った時の姿勢やサポートをより適正にするためにメッシュの張りの強さなどがアップデートされているほか、昇降やリクライニングの調整レバーなどがより扱いやすいものとなっています。その他にもアームパッド(肘置き)の硬さや各機能の調整範囲などが細かく変更されています。
また、このリマスタードの発売に合わせて、以前のアーロンチェアは「クラシック」と呼ばれるようになりました。
私は職場でクラシックのアーロンチェア(ランバーサポートとバナナクッションあり)を使用していましたが、座り心地やリクライニングの感覚には少しクセを感じるチェアでした。ただ、その理由はアーロンチェアの調整の幅広さゆえに十分に自分の体に合うように調整できていなかったせいもあったのでしょう。
企業のオフィス内で使用するオフィスチェアは座席の変更などで使い回されたり同じものを長い期間使えないこともあります。アーロンチェアは自分の体に合わせて調整しながら「使いこなしていく」タイプの椅子なので、フリーアドレスのフロアや会議室に導入されたアーロンチェアではあまりその恩恵が感じにくい使われ方なのかと思います。
一方、リモートワークや在宅ワークなどの場合はその椅子を使うのは自分だけなので、このアーロンチェアを最大限に調整して自分専用に使うことができます。クリエイターさんなどに人気の秘密もこのあたりにあるのではないでしょうか。
自分の体のためだけに合わせた自分専用の椅子として投資価値のあるオフィスチェアとなっています。
オカムラ コンテッサ
オカムラは神奈川県に本社を置く日本の家具メーカー。オカムラのコンテッサチェアはメッシュ素材採用のエルゴノミックチェアで、同社の近い価格帯のラインナップとして「バロン」があります。
バロンとコンテッサはいずれもイタリアのジウジアーロ氏がデザインしたエルゴノミックチェアです。アーロンチェアをはじめ、多機能なエルゴノミックチェアの多くはその調整機能のためのレバーやダイヤル、機構を収めるボックスやケーブルなどが一見物々しく目に付くことがありますが、このコンテッサには目立ったケーブルの露出などもなく、シンプルなフレームの外観になっており、その見た目の美しさが特に際立ちます。
その見た目のシンプルさに対し、コンテッサは非常に幅広い調整機能をもっており、自分に合わせた調整を行うことが可能です。また、それらの調整は「スマートオペレーション」と呼ばれるアームレストの裏側に仕込まれたレバーや、コンパクトに設計されたダイヤルなどを使って行うことができます。
またカスタマイズ性の高さも特徴のひとつで、張地の素材はメッシュのほかファブリックのクッションや革張りを選択することなどができるほか、フレーム、ボディ(樹脂部分)のカラーを選択することも可能です。さらに張地のカラーはメッシュ12色、革3色、グラデーションサポートメッシュ8色から選択することができ、ワークスペースのイメージに合わせてカスタマイズすることが可能です。
機能面も十分ながら、その見た目の美しさからインテリアとしても最適なスタイルを選択できるオフィスチェアです。
オカムラ バロン
前項のコンテッサと並ぶメッシュ素材採用のエルゴノミックチェアがこのバロンチェアです。
ラインナップの違いとしてはコンテッサが上位ラインで、バロンはミドルレンジ(といっても14万円前後しますが。)の位置づけ。サイズはざっくり比較するとバロンよりもコンテッサのほうがひと回りほど大きくなっています。
しかしながら、バロンチェアとコンテッサについては単純な上下の比較が難しく、機能やオプションを比較するとバロンのほうが優位に感じられるものもあります。特に、リクライニングの無段階調整と大型の可動ヘッドレストについてはバロンチェアでしか選択できない要素となっています。
(コンテッサはリクライニング5段階。大型の無可動ヘッドレストか小型の可動ヘッドレストがオプション)
また、デザインはコンテッサと同じくイタリアのジウジアーロ氏によるもの。コンテッサほどのシンプルさやスマートオペレーションはありませんが、コンテッサ同様美しいデザインと広いバリエーションから自分に合わせたスタイルを選ぶことができるオフィスチェアとなっています。
エルゴヒューマン(プロ/ベーシック/エンジョイ)
エルゴヒューマンはデザイン性の高いオールメッシュ素材でできたオフィスチェアが主力の台湾ブランドで、日本では福岡にある関家具が国内総代理店として取り扱っています。
エルゴヒューマンの最大の特長とされているのが腰回りのサポート。今回挙げたその他のエルゴノミクスチェアと同じくメッシュ素材を張地としたチェアですが、その中でも特に複雑な外観をしており、特に腰の部分にある独立したランバーサポートが目を引きます。
このランバーサポートが座った際に腰にフィットし、不安定な姿勢に起因する疲労感や腰痛を予防する機能があるとのことで、長時間のデスクワークを行うデザイン・クリエイティブ系職種、または医業、士業の業務を行う多くの方に愛されています。
なお、エルゴヒューマンのラインナップは複数あり、構造がほぼ同一で調整可能範囲の異なるプロ(Ergohuman Pro)とベーシック(Ergohuman Basic)のほか、プロにオットマンを内蔵したプロ オットマン(Ergohuman Pro Ottoman)、サイズをスリムにしたフィット(Ergohuman Fit)、一部のパーツを一体化したシンプルなエンジョイ(Ergohuman Enjoy)などがあります。
いずれのラインナップも高機能チェアに求められるアジャスト機能をしっかりと備えている上、これらの幅広いラインナップから自分にとって十分な機能をったチェアを選ぶことができるため、必要十分ながら快適に使えるコストパフォーマンスの高いオフィスチェアとなっています。
レビューだけを当てにせず試座してみるのも重要
今回私が最終的に候補としたのは上記4製品ですが、選出の過程ではこのほかにも多くのオフィスチェアの情報を見比べて絞り込みを行いました。
初めはいろいろネットの情報やカタログスペックなどとにらめっこを続けていましたが、読めば読むほど意見は人それぞれ。私自分が使っていたアーロンチェアも手放しで絶賛している人もいれば逆に疲れやすいとレビューする人も。
もちろんそれぞれ体形も体重も違いますし、座った時の姿勢も違うので必ずしも評価されているものが自分に合うものとは限りません。
ということで、私は実際に試座できるお店に行って最終的に製品の選定を行ってきました。
各メーカーの公式サイトなどでは、製品が試座できるショウルームや家具店などの案内がされていますので、ぜひこれらもチェックの上で製品選びを進めてみていただきたいです。
というわけで、実際に私が今回の候補となったオフィスチェアを試座してみて実際に購入するまでのレポートについては次回へと続きます。
最後までお読みくださりありがとうございました。