10年以上使用したアルカリイオン整水器が故障してしまったため、買い替えを検討しています。
今回はアルカリイオン整水器/浄水器の比較、第2回目として「浄水器」で除去可能な13物質について確認していきたいと思います。
浄水器はその構造により除去軽減できる物質が異なりますが、多くはJIS(日本工業規格)で指定されている「除去対象項目13物質」を対象としています。
放射性物質が浄水器で除去できうるかどうかが話題に挙がることもありますが、現状、富者性物質の除去を定める規定は残念ながら内容です。ただし、これらの項目は浄水器の基本的な性能を知ることができる要素なので、これらをよく比較して選択することが重要です。
13項目(JIS指定除去項目)
遊離残留塩素(カルキ)
遊離残留塩素とは、水道水に含まれている塩素です。「カルキ」や単に「残留塩素」などとも呼ばれます。
日本では、水を消毒するために浄水場で塩素を添加しています。通常、塩素は時間とともに水の中から減っていくと言われていますが、水道から水を汲んだ直後ではまだ塩素が残っているため、これによって独特のにおいを感じることがあります。いわゆる「カルキ臭」と呼ばれるものがこれにあたります。
水道水に添加される塩素は人体に害が無いと言われていいますが、カルキ臭の除去や健康面への配慮のために浄水器が利用されます。
濁り
濁りとは、水道水に交じっている微粒子などのことで、主に水道管の老朽化などによって水道水に交じった赤さびや汚れにあたります。
築年数の経った住宅などでは赤色に濁った水が出ることもあります。濁りは肉眼ではわかりにくい状態でも水の味を落としてしまうことがあるため、これらを取り除くために浄水器が利用されます。
総トリハロメタン
総トリハロメタンとは、後述する「クロロホルム」、「ブロモジクロロメタン」、「ジブロモクロロメタン」、「ブロモホルム」の総称です。
水道水質基準では、それぞれの物質の濃度および合計値として総トリハロメタンの量が基準値として定められています。
クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム
これらは、浄水場で使用される塩素と川や湖の水に含まれる有機化合物との化学反応によって生成される有機塩素化合物です。4つをまとめて「総トリハロメタン」と呼ばれます。
これらの物質には肝臓に対して毒性があるほか、クロロホルムとブロモホルムには発ガン性があり、ジブロモクロロメタンとブロモジクロロメタンは催奇形性を誘発することが動物実験で明らかになっています。
現在の浄水処理では総トリハロメタンを完全に除去することができないため、大量に水道水に混入しないよう基準値が定められています。
溶解性鉛
溶解性鉛とは、水に溶けだした鉛のことです。
鉛は消化器や肝臓への悪影響を起こし、また体内に蓄積されるため胎児や乳児への継続的な影響が大きい有害物質とされています。
鉛は安価で加工しやすいことから近年まで全国で水道管の材料として利用されてきましたが、近年では塩化ビニールやポリエチレン製の開発に伴い次第に使用されることはなくなりました。
現在でも古い建物などに鉛製の給水管が残されている場合もあります。
農薬
農薬とは、田畑に散布される除草剤や殺虫剤などの総称です。
散布された農薬が雨などによって河川に流れ込むことにより水道水中に混入します。
これらは内分泌かく乱作用があることから「環境ホルモン」などと呼ばれます。
一般的な浄水器は、CAT(シマジン)という1種類の農薬を除去することができると言われています。
2-メチルイソボルネオール
2-メチルイソボルネオールとは、カビ臭の原因物質のひとつで、2-MIBなどとも表記されます。
2-MIBは河川や湖などで繁殖する藍藻類によってつくられる化学物質で毒性はありませんが、人によっては水中にごくわずかな量が含まれているだけでも味覚に大きく影響するため、水の味を決める大きな要素として除去項目に定められています。
テトラクロロエチレン・トリクロロエチレン・トリクロロエタン
これらは有機塩素化合物の一種で、油を溶かす性質があることから、ドライクリーニングや金属洗浄剤などの工業用洗浄液などに使われています。
有機塩化化合物は中枢神経障害、肝障害や腎障害、発癌性などが疑われています。
空気中に揮発しやすく、また水中や土中でも分解されにくいため、地下水汚染の原因物質となっています。
これら13項目の物質を除去軽減できるかどうかが浄水器選びの基準となります。
次回、各社浄水器の機能を比較していきたいと思います。